「回顧録から未来設計図へ」

2010-07-19 19:12:46

 来年百歳を迎える知り合いから「回顧録」を書いたので読んでくださいと、立派なハードカバーの著書を頂戴いたしました。
 人生の重厚さを感じさせるようなプラチナ色の表紙の文字がひときわ豪華さをだしており、じっくりと時間をかけて拝読させていただきました。

 先日、ご本のお礼に感想文を携えて訪問いたしました。私が座っているソファまでゆっくり、ゆっくりと歩いて来られ、便箋5枚程の感想文を黙読された後、とても嬉しそうなお顔をなさってくださいました。
 1時間程の歓談で最近のご自身の様子や政治、経済の話をされ、私が「これからの日本経済を良くするためにどの辺りに力を注ぐべきだとお考えですか?」と尋ねると、「今はわからないね、日本だけでなく世界全体を見渡さないといけないからね。どこの国も経済の不安を抱えているでしょ。」とおっしゃっていました。とても99歳とは思えないほどしっかりとした口調で語り、今なお世界に目を向けていること、そしてこの年代の個人差の大きさに驚くばかりでした。
青年の日、10年9ケ月の軍隊生活を体験され、先の見えない時代を必死に生き抜き、混乱の日本をこのような経済大国に造り上げたご功績のおひとりでいらっしゃるこの方は、また別の意味で先の見えない現代に身を置いていらっしゃるのです。

 ある人は「老人の宝は“過去”であるが、若者の宝は“未来”にある」といいました。
しかし、未来イコール宝でしょうか。未来は宝となる可能性を持っていると思うほうが正しいのではないでしょうか。そして「未来」という言葉には思わぬ落とし穴があると思うのです。「明日から」と言って、今やらなければいけないことを明日に回してしまう、またそれを次の明日に回してしまうという悪い先送りです。今日やるべきことを完結していかない性格を作ってしまうとしたら、そういう人に未来はないのでしょうね。何もしないうちに人生は終わってしまいます。明日を明るい明日にするために今を真剣に、そのためには昨日がしっかりしていることが大切です。

 私にはまだまだ「回顧録」を書くほどの人生の厚みはありませんが、私の未来の設計図、明日の為に今日やることのプラン作りをしていく楽しみがあります。
先の見えない時代かもしれませんが、人生のライフ・サイクル、マネー・プラン等オリジナルエイジング・プランを私と一緒に立ててみませんか?
しっかりとした自分の未来を見たいものですね。


堺野 幸枝

堺野 幸枝 (さかいの さちえ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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